以前から鷺ノ宮にはいつか行かなきゃいけないと、
中野区暗渠担当としては思っていたのですが、
なかなか機会が訪れなかったわけです。
興味を持ったのは、白地図を手にした直後。たぶん1970年代の白地図。
西武新宿駅鷺ノ宮駅の周辺、こんな事になっているのです。
白地図では、ニョロニョロした線が水路。
マウスでまともに線なんて書けないのですが、わかりやすく塗ってみました。
濃い青の線は妙正寺川。薄い水色の線は、その周辺の水路(跡)。
いやいやいや、なんでこんな事になってるんだろう?
この近辺で「水路を守ろう運動」みたいなのがあったのかしら?くらいの。
でも、こんなのキリがないでしょ(失礼)。しかも鷺ノ宮、遠い。
電車で新宿経由で片道330円かかるずら。
まあ何かの機会があったら、行ってみようかな、と。
※
で、またある日、別の地図を見ていたのです、グーグルマップかな。
中野区と杉並区の区境を見ていたのです...
何してんでしょうね、まったく。
で、いてもたってもいられなくなって、出かけたわけです、鷺ノ宮。
鷺ノ宮までは、中野区のコミュニティバス「なかのん」で210円が正解。
初めて行ったけど、鷺ノ宮はなかなか西武新宿線らしい駅でした。
秋龍のとんこつ醤油ラーメン680円を食べ、
なんだか妙に美味いかりんとうを試食し、買って、ブラブラしました。
昔の白地図には水路が載ってますが、うん、今はあんまりないかも。
たまにこんなふうになっている所が、その跡なのかな。
駅周辺の、こういう跡、また鷺ノ宮を散策して、もう少し探ってみたいです。
※
さて、では中野区と杉並区の区境の暗渠散策へ。
いや、なかなか。なかなかの暗渠です。
見所が多いです。名著『杉並の川と橋』にちなんで、
その名称を天沼本村川(仮)とさせて頂きます。
もともと妙正寺川が大きく曲がる地域。川の左右に用水を作り、
水田などの取水と排水に使うのに良かったのかもしれません。
元々あった天沼本村川(仮)の水と、
妙正寺川からの水を用水に流していたのかもしれません。
天沼本村川(仮)と妙正寺川の合流地点は、用水のそれになっています。
まずは、その用水路であったと思われる場所を歩いてみましょ。
駅から近い方、下流の方の合流口に行ってみたのですが、なんだろ。
ここって、小石や何やらが詰まるような構造の不備とかあったのかしら。
どういう物理法則が働いて、こうなったのか、皆目見当が付きません。
気を取り直して、歩いてみる。白地図の通りに、それらしきものあります。
隠し切れない微妙な暗渠さ。なかなか素敵です。
用水路の、再上流地点。例の中野区と杉並区の区境地点。
川の流れと、区境のズレ。
妙正寺川から別れて西へ流れていくのがその、用水路の。
南から流れてきて用水路に合流するのが、天沼本村川(仮)。
でも、用水路は不要になって、天沼本村川(仮)の妙正寺川との合流口に、
その妙正寺川から別れる所が使われたのかしら。
ちょっと、そんな経緯を想像してしまいます。
この妙正寺川と天沼本村川(仮)と区境、面白い事になってる。
妙正寺川の下流方向から見ると、こんな感じ。
それとも、区境は元々の天沼本村川(仮)の流れた場所なのかしら?
右側、妙正寺川の柵に青いパネルがかかってて、
そこから手前が中野区。その奥が杉並区。
その奥に道が縦縞になっているのが、天沼本村川(仮)のコンクリート蓋。
対岸から見ると、こんな感じの合流口。ちょっと面白い形。
さて、ここから天沼本村川(仮)の上流に向かいます。
しばらくは中野区と杉並区の区境を進みますが、
徐々に西へ、杉並区の方へ振れていきます。金太郎。
で、『杉並の川と橋』では、本天沼稲荷神社の2ブロック東に湧水、
4~5ブロック西にも湧水があったことになってます。
このあたり細かい暗渠、コンクリート蓋なので解りやすい暗渠が、
そこかしこにあったりします。
川の流れにそって、各家庭の排水に使おうとしたのか、
それとも、元々水の湧きやすい地形で、それぞれ源流になっていたのか、
それはちょっと解りません。
『杉並の川と橋』とグーグルマップでは、こんな感じになってます。
その2ブロック東の湧水が天沼本村池だったわけで、
クシャクシャってなってる辺りが本天沼稲荷神社。
ちなみに、グーグルマップの左下にチラリズムしてる、
杉並区立天沼中学校。
こちらの暗渠記事のグーグルマップにも入り込んでます。
また、少し南に行くと、杉並区立郷土博物館分館があって、桃園川のテリトリー。
さて、分水嶺はどのへんかしらね。
悪水路って、
邪悪な水が流れだしている毒々しい川とかそういう意味ではなく、
排水路くらいの意味らしいです。
面白そうな記事があったのでリンクさせて頂きます。
『不動産鑑定・コンサルティング | 内藤事務所有限会社 | ブログ
悪水路』
水利権とか色々ナーバスな事情があっての記述なのかもしれませんね。
この暗渠は、以下の記事で皆さんそれぞれ、
天沼川、妙正寺川本天沼支流、妙正寺川天沼本村支流などの名称で紹介されています。
リバーサイド様:妙正寺川の支流を歩く (本天沼支流)
前編・
後編nama様:桃園川支流を歩く その28天沼川(本村用水路)
後編hondaさん:「妙正寺川天沼本村支流(仮称)」の暗渠を辿る
(1)妙正寺川右岸傍流 それぞれ秀逸なレポートなので、そちらもご参照くだされ。
※ おまけ ※
散策中にLotusさんから湧水情報。
はたして0.002立方メートルというのはいかほどのものかということですw
Google電卓機能で、それが2リットル。さすがグーグルさんです。
天沼本村川(仮)とは直接関係はなさそうですが、
早速見に行ってみました。
写真的には地味ですが、かなり湧いてます!
毎秒2リットルですから、2分もあればお風呂も満タンになるくらい。
いやあ、まだまだあるんですね、湧水。
先日の初台川から湧水づいてます。
やっぱりテンション上がります、こういうの見ると。
Lotusさん、ありがとうございます。
この湧水はLotusさんの記事で取り扱われています。
暗渠ハンター
鷺ノ宮エキチカ湧水とかつての水田のことこちらの記事も秀逸。ぜひ。