2008年8月17日日曜日

コミュニケーション強者によるポニョとデボラの逆差別を糾弾せよ

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
さて。ドラクエとポニョ。タイトルは前回に続きホッテントリメーカーで作成。
こういうタイトルの記事が流行る世の中なんですね。気持ち悪い。



さて。
崖の上のポニョに関しては皆さんご存知だと思うのでアレですが、
どういうお話しか紹介しておきますと。

普通のあらすじ
宗助(5歳の男の子)はデイケアセンターで働く母と、船長さんの父と三人で崖の上にある一軒家に住んでいます。ある日、海でビンに嵌って死にかけていたポニョ(金魚)を拾います。助けてもらったポニョは宗助の事を好きになってしまいました。人間になって宗助に合いたいと思ったポニョは海の生命力を高める研究をするフジモト(父親)の研究所で不思議な薬を飲んで魔法の力を解き放ち、人間になって宗助に会いに行くのですが、解き放たれた魔法の力は世界を覆い大変な事に・・・

それを踏まえた変なあらすじ
人の顔色を伺って暮らす宗助(5歳の男の子)は、父親をなじり危険運転を繰り返す母と、近くにいるはずなのにモールス信号くらいの情報量しか伝わってこない父親との三人で、村はずれの僻地に暮らしています。ある日、宗助は海で投棄されたゴミにまみれたポニョ(人面魚)を拾います。人面魚が打ち上げられると洪水が起こるとトキばあさんは言うのですが、瞬時に似たもの同志だと悟ったポニョは宗助に刹那的な安らぎを獲ようとします。ポニョは過干渉の父フジモト(テロリスト)の研究所で人類を滅ぼす薬を飲み、魔法の力を獲て宗助に会いに監禁されていた家を逃げ出します。ほころび始める宗助とポニョの世界はエヴァンゲリオン宜しく世界を終末に向かわせるのですが・・・

もっと変なあらすじ
昔々あるところに宗助という若者が住んでおった。宗助はある日、海でポニョ(仙女)を助けます。「助けてくださってありがとう。私は人間になってあなたと夫婦になります。もう一度戻ってくるので、けっして私の事を忘れず待っていてください。」というポニョの言葉は成就され、ポニョと宗助は一緒に暮らし始めるのですが、それを許さない父フジモト(仙人)は・・・

なんでもいいや、酷評も多いポニョなんですけど、物凄く面白かったですよ。開始数十分は、もののけ姫同様に異類婚姻譚とか非人間女性婚姻譚がモチーフになったのかなぁとか思ったのですが、なんとアンデルセンの「人魚姫」がモチーフなんですね。驚き。まあそんなここんなの穿った観かたをするのがもったいないくらいの大迫力。私の中では宮崎アニメでダントツ最高傑作になってしまいました。もう無批判で大好き。アニメらしいアニメ。全手書き風、CGとか使っていなさそうな映像で無邪気に世界は終末を向かえ、人々は淡々と大惨事を乗り越え、世界は救われます。もう一回映画館行きたいけど、その時間があったらスカイクロラ観たいしなぁ。DVD買うだろうからいいかぁって感じです。

なんか観終わった後でも色々想像したり友人と語ったりして楽しめるのもいいですよ、ポニョ。グランマンマーレとリサはなにを話していたのだろうかとか、宗助がポニョを好きなのって甥っ子がムシキングを好きな好きとどう違うんだろうかとか、にしても矢野顕子だなとか、そんなことを語ったりするのが凄く楽しい映画でした。

でも、どうしても気になるのが、海に飲み込まれ終わり行く世界の中、何の心配もなさそうにしている人々。いや、心配はするんだけど、自分達のことじゃなくて、老人達の事だったりするのが、どうも。自分だったら泣き叫び嘆き、何とかして生き延びようと必死になるだろうに。どうして登場人物たちは・・・フジモトを除き、あんなに平気にしていられるのだろうか。そこだけ、物凄く違和感を感じたし、怖かったです。

大惨事が起きても、それが世界が週末だと気がつかないで、老後の事ばかり心配して生きているのは、みんな同じなのか知れないですけどね、なんて。


☆☆☆


で、次はいつまでたっても船から下りれないで有名なドラクエ5。これまた面白い。ちょっとした台詞や挙動の一つ一つから物語の奥深さを感じさせてくれます。親の敵の魔物を倒した直後の子供の台詞とか。でもまあドラクエ5といえば、もちろん結婚。フローラとビアンカの二択で花嫁を決めていたのですが、強引なまでの飛び入りでデボラって女性を嫁に選ぶ事が出来ます。デボラがまたアレ。一目会ったその日から主人公を小魚呼ばわり。宿屋のベッドが狭いからと主人公を床に寝せ、荷物持ち兼金づるくらいにしか思っていないような嫁。そんな嫁を選択できるのです。80年代的金持ちの娘深窓の令嬢的フローラ、90年代的活発で"元気"なんて表現が似合うビアンカ、そして選択した時点でドM決定な2000年代のデボラ。いいんだよね、誰に理解されなくても、デボラを知る人は皆主人公の正気を疑うような嫁でも、本人が幸せなら。例えアニメキャラだって「俺の嫁」って言ってしまえば幸せになれる、そういう価値観ってドラクエ5が最初に発売された1992年には無かった気がします。ちゃんと同じドラクエ5でもアップデートされて2008年モデルになっているところが凄い。

今ラスボス直前って感じのところまで遊んでいるけれども、一番好きだったシーンは温泉で主人公の裸を見たデボラが「アンタ、けっこういいカラダしてるのね・・・楽しみだわいろいろと」って言い放つシーンと、デボラが妊娠を隠して無理して登山をし倒れた時、妊娠が発覚して、その辺の人に「あんたの子か?」って聞かれてYes or Noの選択肢が出たシーン。ドラクエってそういうゲームじゃないはずなのに、デボラを選ぶ感性の人の想像力を刺激するようなシナリオになっているのが凄いなぁ、堀井雄二。


なんかまとめるのも面倒なくらい気力が無いのに久々の長文なので、
珍しく改行と画像等を排除してみました。
この方が読みやすかったら次回も検討。

っていうか毎日忙しいです。

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ぽにょみたーい。すごくみたーい。
こうなったら一人で見に行こうかなぁ。
レイトショー。

NHKで宮崎監督の一年を取材した
インタビューやってました。

こんどそれで記事書きたいなぁって
思っていて時間が無くて書けず。
ああ、書きたいネタばかりがたまってゆく。

とにかくこれは観に行きたい。

味噌max さんのコメント...

ポニョ面白いですよ。宮崎監督、新境地じゃないですが。なんかやりたい事をやれているって感じで。スンバらしいです。ぜひぜひ。

匿名 さんのコメント...

私もぽにょ見たいです。
宮崎駿さんの大ファンなので
是非映画館の大画面で見たいと。

宮崎ワールドに浸りたいわ。

味噌max さんのコメント...

大迫力ですよ、ポニョ。文句なし面白かったです。ぜひお勧め!

匿名 さんのコメント...

淡々と大惨事を乗り越え…
ってほんとに淡々としてたよあの人たち。

実は今日見に行ってきた
たぶんこの記事見てなかったら映画館に行かなかったと思うのだ。
ありがとう

味噌max さんのコメント...

ねえ、あんな天変地異なのに冷静さが怖いですよw
面白かったでしょ、ポニョ。楽しんでくれたら嬉しいです。