2008年6月3日火曜日

愛と幻想のエロマンガ。

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エロマンガ島でエロマンガ的な展開が有るなんて思ってもいませんでしたが、
体験したのは日本では感じる事の出来ないエロマンガの現実。
なんか謎な汁とかピシャって飛び散って痙攣しながら気持ち良いなんて事は、
美しい幻想であって、現実にはありえない。


この記事から読み始めた方へ。
バヌアツ旅行編の目次はこちらです。


カオリツリーをガイドしてくれたおばさんは、
私の部屋を訪ねてきて、いかにカオリツリーが蝋燭の代用を果たすのか、
教えてくれたのです。
親切。


親切といえば、バヌアツの人々は、一様に親切。
謎のツアーエージェントP(仮名)は言っていた。
「日本は400ミリオンのお金を出して、バヌアツに道路やインフラを作ってくれた。
だから、日本人はバヌアツを楽しんで行って欲しい」と。
お金の単位も解らないけど、400ミリオン。本当かどうか解らないけど。
1円≒1バヌアツバツ(VT)。計算が簡単。本当かどうか解らないけど。

こういう未来のある南の島の人たちにお金を注ぎ込むのは、良いことなのかもしれない。
確かに、アジア系ギャングが治安を悪化させる中、
日本人にはとても親切でした。

アスファルトの立派な道路と崩れない橋。
ソーラーパワーのある診察所。
人間より長生きするかもしれないTOYOTAの頑丈な車。
ボランティアが医療と英語と近代的生活を教えて、
バヌアツの文化は滅んでいきます。
西洋や日本と同じ生活に馴染めず、ガーデニングと称して村の周辺を歩き回り、
いたづらに花を摘んだり牛を洗ったりして、経済的に貧しくなってゆく人々。
2002年に1500人だった人口が、2006年には7000人にまでなっている、
幾何級数的に子供だけ増やす人々。
エロマンガ的と言えなくもないエロマンガの現実。


でももう、この21世紀に腰ミノと石ヤリの生活には戻れないもんね。
島の外から物資を購入しないと生きていけないんだものね。
なら、お金が必要なんだもの。

バンガローのテラスで「愛と幻想のファシズム」を読んでいると、
一人の見知らぬ青年が近づいてきました。
「島の反対側のipotaに新しいバンガローを始めたんだけど」
そんな風に切り出してきました。
「面白いアクティビテイーも多いし、ロブスターも食べれるよ」
「ここのバンガローはナイスじゃないでしょ?」
「日本人はもっと楽しんで行って欲しいんだよね」
要するに、このバンガローの今後数日の宿泊予約をキャンセルして
自分のバンガローに泊まりにきて欲しいという事を、
他の人のバンガローのテラスで行っているのだ。
信用できない。体裁よく断る。

すると、どこから聞いたのだろう、
私がインターネットの仕事をしていると知っているらしい。
「私はCDを持っていて、私のバンガローの写真が入っている」
「このCDはオーストラリアの観光客が送ってくれたものだ」
「私はパソコンを持っていないから見れないしネットに載せれない」
「CDを味噌maxの家に送るから住所を教えて欲しい」
「インターネットで公開して、日本人の観光客が私のバンガローに・・・」
私は断った。
でも、食い下がってきた。
「インターネットでWebサイトを作成するには、
ドメイン料とWebサーバのホスティング料金、Webデザインも無料じゃない。
私がプロだと知って頼むのなら、料金を請求するよ。
初期費用やWebデザインにウン万VTと年間保守にウン万VTでどうだ?
これでも商用としては格安だけど」
とか言ってみたら、やっと諦めた。


そもそも、そんな一枚しか持ってないようなCD-ROMを送られたって、
高い輸送費も含めて、私には重荷でしかない。

ちなみに、
この国での法律上の最低賃金は50VT。
そりゃ、地井武男でもなきゃ、散歩じゃお金儲からないものね。
そんな彼らに、私は一泊3000VTの宿泊料を払っている。
働かないこの島の人たちにはベラボウな金額かもしれない。


なにやってるんだ、俺?
この場所に、この金額で泊まる事は、彼らの為になっているのか?
薄い生地のムームーの、裸足の人達の村に、
デジカメでiPodでブランド物のブーツやサングラスで村の中を歩き回って、
子供に色鉛筆なんかプレゼントして、
たいしたサービスも受けずに法外ともいえるベラボウな金額の宿泊費を払って、
彼らの文化を侵略してない?
それが観光のつもりなの?
何だっけ、そもそも観光って、
カバを飲んでいるわけでもないのに、頭のどこかが痺れている。


宿には電気も水道も無い。シャワーも無い。
でも、実はインフラは有る。
全部壊れているのだ。
バンガローのオーナーM(仮名)は言う。
「電灯は明日までには直るから」「デジカメもチャージできるから」
「シャワーもホットなの使えるよ」「明日になればね」
それは何一つ実現しなかった。
この村には400人の人口で7軒の店があって、
どの店にも何の商品も無い。
じゃ、直せないよね。
でも、あなたの宿泊料が入れば直せるし、新しいバンガローが建てれるって、
あなたのお金で村の経済が育つって言われても、
旅行客の私に言われても、困るのよ。
私は。


言っておくけど、エロマンガ島に行きたいという人がいても、
私は勧めません。

一番の大きな理由は、何も無いからです。
観光資源が半端に大きな木くらいです。
人には言えないような洞窟くらいです。
美味しいものも、珍しい文化も、絶景も、なにも無いです。

電気も水道も何も無い所に行きたいというのなら、
もっと別のとことも有るよ。

でも「エロマンガに行きたい!」という、
子供の頃の夢を叶えたいというのなら、
私は止めませんし、行くべきだと思います。
それが「大人になる」という事なのかもしれません。


「最後の夜はお別れパーティーで豪勢なディナーだよ。」
Mは言いましたが、食事は日々貧しくなってきました。
最初の頃に出ていた蒸かし芋も、野菜も無くなって、
最後はご飯とスープだけ。
しょうがないものね。
お店に何の商品も並んでいないんだから・・・・

村を散歩している時に見かけたラプラプが、
美味しそうで、美味しそうで・・・


私がエロマンガ島に滞在中、
ヨットで浜辺に乗りつけた観光客が何組かいました。
決まってリタイアした老夫婦。欧州からの。
エロマンガ島で野菜やミネラルウォーターを補給したかったようだけど、
無いと知って、怒ってすぐにヨットで船出する。





エロマンガ島には三泊しました。

数年ぶりの日本人の客が帰った後、
エロマンガ島がどうなったのか、
私はもう気にしない事にしたいです。
観光客が増えても減っても、気にしない。
彼らの文化がどうなっても、気にしない。

Mが何らかの事情でバンガローを営めなくなった時、
エロマンガ島のツーリズムは終わってしまうのか、
ipotaの青年のバンガローが流行るのか、知りません。
ああ、もう、いいや、疲れた。



なぜか色々と頼りにされたけど。
彼らに幸せになって欲しいとか、豊かになって欲しいとか、
独自の文化を取り戻して欲しいとか、向上心を持って欲しいって、
本心から願ったとしても、
私には何もする事は出来ないし、何かをする事が良い事かどうか、
もう解らない。

それこそ何百億円か使い、
エロマンガ島に高度なインフラと教育施設と産業を作り、
無理やり就学就業させてみたらどうだろう。

いや、きっとそういうことじゃないんだ。
資本主義という名のネズミ講の貧乏くじを引かされた場所、人々は、
世界中のいたるところにあって、
どうにかしようというのはもう、夢想でしかない。

だったら願わないのも同じじゃないか。
気にしない。
忘れよう。




バヌアツの首都に戻った私は、
久々に都会的な暮らしに戻りました。

都会的っていっても、シャワーと電気があって、
インターネットカフェがあって、スーパーではワインが買えてってくらいだけれども。

ただし、
ホテルの経営者は100%白人。
商店やレストランのオーナーはずべて中国人か韓国人のアジア系。
走る車はTOYOTAかMITSUBISI。
スーパーで買えるものはオーストラリア産かニュージーランド産。

一歩路地裏に入ると、現地のメラネシアンの貧しい家が立ち並んでいる、メラネシアンの国の首都。
地球幸福度指標一位。
世界で一番幸せな国。


バヌアツを離れ、シドニーへ向かう飛行機の中、
何かから解放されたような自分と、
何かを背負い込んでしまったような自分がいました。



バヌアツ編はこれでおしまい。
面倒くさいし、書いて何かが報われるか疑問。

さて、この辺まで書けば、
私がウルル(エアーズロック)に登らなかった理由、
解りますか?
って前振りで、
次からオーストラリア編(マジで?




それにしても、
旅ってイイですね・・・
やめられません・・・

8 件のコメント:

poppo さんのコメント...

エロマンガの記事を読むときに
ほんの少し勇気がいる。
それは味噌さんが記事にする際に感じていた
さまざまな感情を共有してしまうからかな。

でもやはり読んでしまう。
自分のなかにもずっと、同じような感情が
あるからかな。シランフリしててもどこかへ追いやってたつもりでも、ふとした瞬間ひょっこり現れるのよね。。で、このバヌアツの記事を何度も読んでしまう。
でも、これもまた自分の素直な気持ちなんだと思って、また読んでいきますわ^^

味噌max さんのコメント...

この生地はまあ、リライトなわけですが、じゃあ気軽かというとそうでもなく、やはり重いモノがあるわけです、私自身にも。
この記事を最初に書いた頃の気持ちと100%ブレが無いかと言われたら、そりゃあるのですが、やはり色々考えちゃうわけです。私たちの生活とか、身の回りの・・・たとえば物価の上昇とか、彼らの生活とどこかでリンクしているのだなぁ、とか。

なんかやっぱり旅行っていいですよね。家でゲームしていたら、こういう経験は出来ないわけでw

marron007 さんのコメント...

旅って、買い物とかそんなのどうでもよくて、現地の人たちと触れ合って衣食住を共有したりなんかして、そんな時間が大事だったりして。
私はこの間行ったベトナムの旅で、自分らしい旅が出来なくて、帰国後毎日後悔しています。
観光客ばかりの、こ洒落たレストランもいいのかもしれないけれど・・・。
旅を通して見つけてきたかったものに出会えなかった事が非常に残念に思えて仕方ありません。。
味噌maxさんのブログ、これからも楽しみにしています。
いろんな人が旅のブログ書いているけれど、
私は味噌maxさんの書くブログ好きです。
これからも時々拝見して、今後の旅行にいかせたらと思っています。

味噌max さんのコメント...

地理や世界史やマクロ経済の授業だけじゃ解らないような、実際の世界とかは、やはり行ってみないとわからないことも一杯ありますよね。
 お買い物とか食事ももちろん大事だと思うのですが(私は食事が大好きなのでもちろん楽しみますけど)現地の人から聞いた歴史とか、嘘か本当かわからなくても、それが彼らの世界ですから、そういうのを知るのにはやはり人と触れ合うのが一番かなとか思います。なんて。
私と同じところに他の人が行っても同じ感想にはならないと思いますし、まあ、詩みたいなものだと思っていただいても結構ですしw

そう言っていただけると、とてもうれしいです。今後予定している海外旅行記とかいろいろあるのですが、基本的にはこんなスタンスなので、今後もお楽しみいただけたら幸いです。

isshy さんのコメント...

記事ってのは、寝かせてリライトすると純度が増すね。
おかげで益々イタイ記事になった。
ウチとは違い短文でツボをキメてくれるから、突き刺さってくるぜ・・・

同じ経験をしてもみなが同じ記事を書くわけじゃない。
アンテナの感度とか方向とか受信帯域とか、いろいろ制限があって
見たくないものは見ないで済む人も多いと思う。
エロマンガに給水に来たボートの人々は、ただ怒って帰ったわけで。

感じてしまっても、何もできないことも多い。
感じてしまったとしても、辛すぎるし何もできないから
忘れなきゃ生きていけないことも多いけど、
忘れきれるものでもないし。

忘れなきゃやってられない経験だったとて
そういうのが身のうちにミルフィーユのように積もったら
人生味わい深くなるのかもしれません。

味噌旅行記は甘いばかりでない大人の味ね。さんくす。

味噌max さんのコメント...

お腹の脂肪もミルフィーユとんかつのように味わい深くなってきた昨今。
味わい深くなる意義ってどういうところにあるのかなぁとか、色々考えてしまいます。BLOGで何人かの心にでも突き刺さってくれればそれはそれ意義があるし、酒のつまみにでもなればそれはそれでよいものなのでしょうけど。子供とかいればまた別なのかなぁとか、色々思いますが、今回のリライトはわりと辛かったので、ちっと色々考えちゃいました。色々。

lotus62 さんのコメント...

今更ながら、しかも仕事中ながらw
読ませていただきました。

…読み応えありました。すごく。
エロマンガのことが知れてよかったし、
そこに日本人が行ったら何を感じるか、
もし自分が行ったとしたらどんな気持ちになるか、
いろんなことを想像するきっかけになりました。

味噌max さんのコメント...

いま、昔のことを記事にしていても、あの頃とはまた違った感想を持ってしまいますし。感じ方も個人それぞれだと思うのですが、いや、有名な観光地で気軽な観光旅行とかの方がぜんぜん楽しいなって思いましたw