バスルームで芋を洗う１００の方法～好き好きサーンマ

芋っていったって、もちろん地面に植わっているもので、
自分で土の下から掘り返して、自分で袋につめて、自分で持ち帰ったもの。
掘る時にシャベルでツタとかは切っておいたけれども、それだけの状態。

バスルームで試行錯誤しながら、どうやったら綺麗になるだろうと、芋を洗う。
無心に芋を洗う。泥を落とす。もう君のこと忘れてるよ。でもそれは仕方ないこと。
でもいつかまた僕らは電話をするだろう。 ありふれてる 話をする。
クソタレな気分蹴とばしたくて。

わりかしきれいになった。サツマイモの天ぷらって、たしか皮がついていたよな。
なら、この状態で保存しておけばいいのだよな。
北アイルランドでは山ほどジャガイモを収穫し、洗い、調理し、食べた。思い出す。
ついスーパーで買ってくるのが当たり前と思いがちな自分の世界観を改めるのにいい。

秋刀魚は幾分か三枚におろし、幾分か塩焼きにし、幾分かは煮物用とし、
幾分かはラップを巻いて冷凍した。食べきれるわけがない。
塩焼きを食べながら考える。引越しまで、あと何ヶ月あるのだろう。
まだ何も決まっていないけれども、今の家とは離れたところに住もう。
東京の反対側とかの方とかが良いかな。もうちょっと町の中でもいいな。
引越しの時は冷蔵庫の電源は切らなきゃいけない。それまでに食べきろう。

本当は日陰に干したほうがいいんだろうな。芋。
皮を乾かし、ちょっと切って、天ぷらにしてみた。見栄えが悪かったので写真は載せない。
でも、ホクホクというか、身がとろける様で、とても美味しかった。

芋、匂いをかいでみる。甘い匂い。栗きんとんとか、大学イモの匂い。
ついつい忘れがちな、芋の匂い。
アイルランドだってハワイだって変わらないはずの芋の匂い。
ずっと嗅いでいるとなんか変な気持ちになる。鏡をのぞく僕の顔もまるで芋みたいだ。
人の顔じゃなくて、出っ張ったりへこんだりしているだけみたいだ。