2010年10月9日土曜日

弁天池の謎。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
今回も暗渠ですyo!
暗渠散策編・目次はこちら。
というか、昨日暗渠三本立てしてしまったので、
あふれる記事のネタをなんとか消化しておこうと。
ということで、中野区に引っ越してきて、
中野区の地理や歴史を学ぼうという趣旨で始まった暗渠散策。
今回も順調に杉並区です。場所はこの辺。

そのまんま杉並ですね。

前回の記事『小沢川リベンジ、なのか?』の後に標高図を見て、
ああ杉並区役所の辺りから桃園川に合流するであろう川があったんだろうなぁ、と。

そう推測して青梅街道を西に。
いつもの素敵な素敵なiPhoneアプリ、東京時層地図などを確認していると、
どうも青梅街道の南側に、池があって、そこも見ておいた方が良い雰囲気。
うーん。これ現地に行ってだいぶ悩んだのね。


青梅街道の向こうなら桃園川に流れるだろうけど、
ここは青梅街道(というか丸の内線)を分水界として、
場所的には、善福寺川のテリトリーよね。

同場所の古い順、上列の左から右へ。
    

 
同場所の現在の地図。
現在でも流れている開渠、善福寺川。
で、昔はその河畔に水田がある。
水田がある時、水田から見て川と反対側に用水路を作り、
取水用と排水用に分ける。なるほどなるほど、そうなってますね。
用水路、時代によって見えたり見えなかったりするけど、
川を表す線が水色だったり黒だったり、地図側の原因かも。
それは確かにずっとあって、現代では用水路も暗渠になっている、と。

でも、この明治初期の地図がどうも気になってしょうがない。
ちょっとズームアップした弁天様の弁天池の場所。

大雑把な明治初期の地図にしては明示的に書き分けてるw
善福寺川からの用水とは、明らかに合流してない!
北東に向かう川(真っ直ぐなので用水路?)として流れてる。

こういうときはインフォメーションを見ましょう。


標高図を見る限り、ここには湧水があったのは確かみたいです。
池があって、善福寺川へ流れ込んでいたのでしょう。
池では弁天様を祀り、生活用水としても用いていた。
天保11年に新堀用水という用水(たぶんさっきの)の中継点になった。

気象や天候や人間の思惑によって、
善福寺川の用水路とは独立して、杉並区役所の方に流れて(桃園川に合流)したり、
そのまま善福寺川の用水路に流れ込んでいた時期がある、
みたいな妄想をしてしまいますです。

で、新堀用水なの?天保用水なの?どっち?

須賀神社にいた、須賀神社に詳しい方も、
この弁才天の水は善福寺川の用水に流れ込んでいるって言ってました。
もうちょっと詳しく聞けばよかったなぁ。

元々湧水のあった土地は色々あって売られてしまい、
隣のマンションになっているようです。

弁才天は、現在も須賀神社の脇に祀られております。

湧水からもまだ水が沸いているのかも、若干の水が見れます。
この橋も当時のものかも。

蚊が一杯いて、刺されまくりました。

ということで、この先に暗渠が二本あります。

明治時代の地図に従うと、
赤い矢印の暗渠感漂う小道は、
善福寺川から来て善福寺川に帰っていくであろう用水路の暗渠。
青い矢印は杉並区役所の方へ延びていく暗渠。あまり暗渠感はありません。

青い矢印を選ぶか、赤い矢印を選ぶかで、別の川に行き着きます。
(両方とも神田川に流れ込むのだろうけれども)
今回は、青い矢印の方に行きましたよ。

長いので、この記事はこの弁天様に焦点を当てておいて、
杉並区役所から桃園川に流れ込むであろう暗渠は、
次の『弁天池から桃園川への暗渠。』で記事にしてました。
最近記事長いし、長いし、分けるし、私。

2 件のコメント:

リバーサイド さんのコメント...

>で、新堀用水なの?天保用水なの?
天保新堀用水と言うんですよ。

善福寺川の大谷戸橋付近で取水して、
桃園川流域の水不足を解消するために
造られた用水だそうです。
私も記事にしましたが、
加瀬竜哉さんのサイトが詳しいのでご参考までに。
http://www.kasetatsuya.com/norivernolife/noriver_nolife_05_04.html

なお、杉並高校から税務署の方にいくのは、別の用水路です。(あげ掘というらしい)
先週、歩いてみましたが、そのうち記事にししたいと思っています。

味噌max さんのコメント...

おおおお!天保新堀用水と言うのですね!ありがとうございます。
天保新堀用水と、あげ掘と、別な名前だと言うのがとても腑に落ちました。なるほどなるほどです。

加瀬竜哉さんのサイト、あとでじっくり読ませていただきますが、ぱっと見すごすぎて、絵的にアサヒくつろぎ仕込<4VG>吹きましたw

コメント感謝です!記事も楽しみにしております!